エリア2021.07

宮ケ丘・円山公園エリア散策で巡る北海道開拓史- Happy Area Vol.3

都市部にありながら豊かな自然に触れあえると、多くの市民から愛される「宮ケ丘・円山公園」エリア。円山動物園や北海道神宮が有名ですが、実は北海道の発展にまつわるモニュメントも数多く存在しています。ここでは「三井のすまいモールくらしマガジン北海道」でも触れた三社をはじめ、開拓の面影を残す石碑をいくつか訪ねてみましょう。
参考サイト:北海道神宮(http://www.hokkaidojingu.or.jp/

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宮ケ丘・円山公園エリア散策で巡る北海道開拓史- Happy Area Vol.3

多彩な植生に養樹園時代の名残りを感じる~「円山公園」~

北海道神宮をいただく宮ケ丘エリア。エリアの大半を占めているのが「円山公園」です。約69ヘクタールの広さを誇る敷地内には豊かな自然が広がっており、ゴールデンウィーク頃になると見事な花を咲かせる桜を目当てに多くの市民が訪れます。また園内にはさまざまな施設も設けられています。1934年(昭和9年)竣工の円山球場や、道内初の動物園として1951年(昭和26年)に開園した円山動物園など、どれも市民にとっては馴染みの深い施設ばかり。北海道神宮へと続く参道も整備されているなど、「円山公園」は古くから市民の憩いの場として愛されてきました。

現在の円山公園がある一帯には、かつて「円山養樹園」が設けられていました。1880年(明治13年)に整備されたこの施設は、国内外のさまざまな樹木の苗木を栽培し、その成長を観察するためのもの。北海道の厳しい環境に適応できる有用な樹木を見つけ、植林を進めていく狙いのもとに設置されました。園内にはヒノキやスギ、アカマツ、カラマツ、ニセアカシア…など、さまざまな樹木が植樹されました。その後、「養樹園」は現在の旭川市神楽地域に移転。御料地(皇室の所有地)となった森を、札幌市が借り受けて公園として整備されましたが、当時の名残は園内の各所で見られます。北海道神宮の第三鳥居や「大師堂」周辺に広がるスギ林など、園内を散策すると、道内の他の地域では見られない珍しい木々と出会うことができます。

北海道開拓の先人37柱の御霊を祀る~「開拓神社」~

円山公園内から北海道神宮へ至る参道沿いには、3つの境内社が建ち並んでいます。公園口鳥居の手前に鎮座するのが「開拓神社」です。こちらは北海道開拓70周年の節目であった1938年(昭和13年)に創建されました。

本殿では、北海道の発展に偉大な功績のあった先人37柱が祀られています。境内の立札には、祀られている御霊の名が記されています。松前藩の初代藩主・松前慶広を始め、私財をなげうって卓越した測量技術で蝦夷地の正確な地図を作成した伊能忠敬、間宮海峡を発見した間宮林蔵、札幌の都市計画の基礎を作った島義勇…など、日本史の授業にも登場するそうそうたる面々です。

また、境内の中には納札所もあり、「商売繁盛」や「厄除開運」など9種類の祈願札を配っており、初穂料300円でお焚き上げして頂けます。また近年は、仕事運や勝負運が上がるパワースポットとしても注目を集めています。

鉱山事故で殉職した方たちに思いを馳せて~「札幌鉱霊社」~

その隣に祀られているのが「札幌鉱霊社」です。戦前から高度成長期にかけて、国内産業の原動力となったのは石炭産業でした。しかしその陰で、鉱山事故で尊い命を落とした方々も数多くいました。そうした殉職者の御霊を敬うために札幌鉱山監督局前庭に1943年(昭和18年)に創建されましたが、1949年(昭和24年)に北海道神宮の末社として現在の場所に遷座。安全祈願をされる方がいまも数多く訪れます。

ブロンズ製の狛犬は金運UPのご利益あり!?~「穂多木神社」~

「札幌鉱霊社」の北海道神宮本殿側に鎮座するのが、社殿の前に控えるブロンズ製の狛犬がひと際目を引く「穂多木神社」です。元々は北海道拓殖銀行の屋上で北海道神宮の祭神と共に、同行の物故功労者の御霊が祀られていましたが、同行が普通銀行に転換したのを機にこの地に遷座しました。

北海道拓殖銀行は1900年(明治33年)に特殊銀行として誕生。拓銀法廃止を受け、1950年(昭和25年)に普通銀行へと生まれ変わりますが、長年に渡り北海道経済の発展に必要な資金を供給してきました。しかし、バブル崩壊の煽りを受け1997年(平成9年)に経営破綻。1999年(平成11年)に解散してしまいしたが、北海道の発展に果たした役割は小さくありません。ちなみに近年はパワースポットとしても注目されており、本殿の前に控えるブロンズ製の狛犬に触れると金運がアップするのだとか。皆さんもお試しになってはいかがでしょうか。

使命を果たした包丁に感謝を込めて~「包丁塚」~

円山公園を北1条・宮の沢通側の入り口から入り、北海道神宮側に進んだ斜面の麓に石碑があります。1972年(昭和47年)に調理師団体によって建立された「包丁塚」です。石碑の碑文にはこう記されています。

【我々の祖先が初めて鉄包丁を用いて魚鳥を調理し食用に供したのは、古く弥生式文化時代であったが、その後現在に至るまで、人間生活にとって包丁は必要不可欠なものとなっている。また平安時代には魚鳥を割くものを庖丁刀と呼んでいた様に包丁をもって職としている者たちは、拠所として魂を打込んで取扱ってきた。使命を果たした包丁に、感謝の念を捧げ、この塚に収納し魚鳥の霊に永遠の冥福を祈りつつ、更に食生活の向上を願って、札幌市の全調理師団体及び関係業界は、この碑を建立した次第である】

毎年、こちらの包丁塚では札幌市調理師団体連合会の主催で、使い終わった包丁の法要が行われているそうです。職人たちの道具に対する真摯な思いが、いまのグルメ都市・札幌の根底にあるのかもしれません。また、この石碑の周りには紫陽花が植樹されており、7月上旬から8月上旬にかけて美しく咲き誇ります。夏の暑さを忘れたいときは、その涼し気な様を眺めに立ち寄ってみてはいかがでしょう。

札幌開拓に先鞭をつけた功労者の二人~「島判官紀功碑」「岩村通俊像」~

円山公園の南北の入り口の脇には、北海道開拓に大きな功績を残した2人の石碑が建てられています。南1条通側に築かれているのが、明治初頭の北海道開発の中枢を担った開拓使の初代判官・島義勇の顕彰碑です。

佐賀藩出身の島は藩主・鍋島直正の命を受け1856年(安政3年)からの2年間、当時蝦夷地と呼ばれていた北海道と樺太を探検し、その調査記録を「入北記」としてまとめました。明治政府樹立後の1869年(明治2年)、北海道の実情に通じている点を買われて開拓使の判官に任ぜられた島は、北海道開拓の中心地とすべく札幌の整備に着手します。
逸話では、銭函経由で札幌の地に入った際、コタンベツの丘(現在の宮ケ丘辺り)から原野が広がる広大な石狩平野を眺め、京をモデルにした碁盤の目状に整理された街づくりを構想したと伝えられています。
島義勇は志半ばで開拓使判官の職を解かれてしまいますが、その都市構想は後任の岩村通俊の手によって引き継がれました。碁盤の目に整備された区画を、京都にならって現在の条・丁目と定めて整理。また後に司法大臣となった岩村は、本格的な北海道開拓の体制づくりのために北海道庁の設置を説き、1886年(明治19年)に新設された北海道庁の初代長官に任命されました。長官として岩村は、資本の誘致のために官業の民業への移行、道路の開削など、北海道発展のための基礎を築きました。円山公園の北1条・宮の沢通側の散策路の傍らの木立の中に、岩村の銅像が功績を称える碑文と共に建てられています。ちなみに岩村は、現在の「すすきの」の名付け親としても知られています

情報をつなぐ使命に殉じた方たちを偲ぶ~「逓信従業員殉職碑」~

さて、南1条通を挟んだ円山公園の南側、坂下野球場の周辺にも多くの石碑が佇んでいます。ここではそのうちのいくつかを辿ってみましょう。坂下野球場の外野側にある木立を進んだところに、「逓信従業員殉職碑」が建てられています。逓信(ていしん)とは、郵便や電信のこと。今でこそスマホが1台あれば、世界中の誰とでもつながることができますが、電話が普及する以前は、大切な報せを届ける責務は逓信従業員たちの肩に掛かっていました。開拓時代、職員たちは過酷な自然の中を自らの足で進み人々に郵便や電報を届けましたが、時には吹雪の中で命を失う職員もいたそうです。1930年(昭和5年)に建てられたこの石碑には、現在700柱以上の殉職者が祀られています。

国鉄時代からの殉難者の霊を慰める~「北海道鉄道殉職碑」~

坂下野球場の森を南に進み、円山墓地より少し上ったところにあるのが「北海道鉄道殉職碑」です。1913年(大正2年)に苗穂に建てられましたが、太平洋戦争時に消失。1953年(昭和28年)に現在の場所に再建されました。まだ列車制御システムなどが無かった時代、衝突や脱線などの列車事故はままありました。また、蒸気機関車が走っていた頃は、道内の険しい勾配や長いトンネルを通る度に機関士たちは常に死と隣り合わせの状態で働いていたといいます。1966年時点で祀られているのは、道内の旧国鉄殉職者2738柱。北海道の発展の陰には、経済の血管であった鉄道に殉じた方たちが居たことを思い起こさせてくれます。

宮ケ丘・円山公園エリアの歴史を巡る散策はいかがでしたでしょうか?かつては御料地(天皇家の所有地)であったこのエリアには、この他にも「天皇陛下皇后陛下 北海道開道・札幌市創建百年行幸啓記念碑」や、札幌出身で1932年(昭和4年)のロサンゼルス五輪の三段跳びで金メダルを獲得した南部忠平の顕彰碑など、まだまだ多くのモニュメントが残されています。春から秋にかけて、宮ケ丘・円山には心地よい風が駆け抜けます。避暑を兼ね、こうしたモニュメントを巡ってみるのもいいかもしれません。

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